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部分最適よりも全体最適

たとえば、シリンダーをボアアップして排気量を強化したエンジンを、足回りが貧弱なシャーシに搭載しても、エンジンの持つパフォーマンスを全て発揮する走りは期待できない。車輪の回転にロスをとられるとか、足回りの破壊、という事態になるかもしれない。

一部分の強化だけでは全体のパフォーマンスを上げられない。部分部分では更に強化可能であっても、それをあえてせず、全体バランスの取れた各部分の強化によって、全体のパフォーマンス向上が可能となる。

同様のことはPCにも言え、速度が遅いからといってCPUを換装するばかりでなく、メモリの追加が効果あることもあるだろう。

部分部分を最適化することに気をとられ、全体バランスを考慮しないと、全体でのパフォーマンス向上が望めない。

組織においても全体最適の勧め

S大隊で第五分隊に代わる環境管理小隊の施行が発表されたときに多くの隊員がこれに反対した。

特にS大隊が関わるサービスの構成をまったく理解していないOD小隊長にこれを任せるということに不安を覚えた者も多い。

※ OD小隊長はこのときまでにS大隊在籍が1年2ヶ月を経ていたが、
  • 転送網のDNSサーバがどこに位置する
  • サービス網のDNSサーバがどこに位置する
  • 転送網とかサービス網という語が理解できていない
という状態であった。
  • 知識の無いものに任せるという不安
  • 1年2ヶの在籍期間に何を学ん出来たのか?多分学ぶ姿勢がなかったのではないか?という疑い
など未だその適性には不安がある。

しかし、T中隊長の意向で第三分隊による環境管理は決定事項となり、その実施がいつなのか、管理方法はどのようになるのか、が多くの隊員の知りたいこととなった。

そこで、移行まで何回かの説明会が開催されることとなったのだが、その中にはどのような環境を用意するのかも含まれていた。

確かめましょう会小隊の仕事内容を把握していない人たちが確かめましょう環境を用意するということにとても不安があったのである。

そんなときに第三分隊内での打ち合わせの様子が伝わってきた。網構成を設計するK原さんに対して
  「天災さんに議論で負けないでくださいね」
といっている人がいた。アリサである。いったいどんなつもり?で言っているんだろう。

環境は使ってもらって何ぼのはず。ネットワークとしては動いていても、仕事で利用できなきゃ意味が無い。にも関らず、このような発言が出るということは、
  「ネットワークは作ったかんね。私の仕事は済ませた。その後、そちらで使用できるかどうかはしったこっちゃ無い。」
  「そこそこ動くことは確認できたのだから、使用できなかったとしてもこっちの責任ではないかんね〜。」
とでも、考えているような言動。自分の所属する分隊のお仕事さえできれば、他の分隊のお仕事のことは考慮しない、小隊や中隊としてのお仕事が進むかどうかなんてまったく気にしていない、とんでもない部分最適のみの考え方。

中隊の全体最適を考慮すればとてもこんなセリフいえないよね。

理解できない人もいるだろうが、立場によってはとっても迷惑

S大隊で席替えがあった。1週間かけて移動を完了する計画。異動のルート・該当者の移動日もも発表された。面白いのは、移動先の席が空かないと移動できないトコロテン状態があること。このトコロテン、連続しているのに移動予定日が異なっていること。すると、前日に行き先が空席になっていても、自分の移動日が来るまでは
  「何があっても、移動しないかんね〜。」
という者が出てくると、大変困る!。そして、恐れていたこんな困ったチャンが出てきてしまった。

そこで、席替え監督者である自動変速伝達装置管理職的オジサンにメールを書いた。

席替え御担当者様

10日から席替えが始まっています。
居室入口付近の掲示板にスケジュールが掲示してあります。

(私は席替え対象ではありませんが)
自分の行き先が空席になったことが判明した場合、
@ スケジュールどおりに指定の日時まで移動しない
のが正しい行いでしょうか?

それとも、
A 行き先が空いているのだから指定の日時を待たずに移動する
のも可なのでしょうか?

※ Aが合理的と考えます。Aを回答として希望します。
メールだけでなく直接お話もした。その内容の前にメールでの回答を載せる。
自動変速伝達装置T(B)ですです。

Aです。つまり、移動先席が空いていたら、当然、移動「も」可です。

円滑な全体移動完了のためにはなるべく空いていたら移動する
ことが好ましいとは思いますが、各人で個々の事情があるでしょう
から、そこは出入りの方々でお話し合いをして決めていただければと
考えます。

よろしくお願いします。 
ありがたい返事である。

自分行き先が空席になったら、自分がそこへ移動できる。すると、自分の旧座席に来る予定の方も移動できる。

お仕事の関係で、移動するよりもまだ移動しないほうが都合が良いという場合もあるだろう。そこは、メリットとデメリットを比較して、全体でメリットが多い方法を選択すべきだろう。

困ったチャンの場合、移動したほうが同じ分隊の人たちと隣通しになり都合が良い。移動しない理由としてただただまだ自分の移動時間にならないからだけである。

この困った行動が、他の人たちの仕事の効率を悪くしていることは一切お構い無しである。責任を負いたくない・リスクを負いたくない・だから自分で考えない、というタイプである。ここに全体最適という考えは無い。

T(B)さんのメールでもって移動が可能になった。

しかし、このメールを出したT(B)さん、全体最適・部分最適という概念を
  「そんな難しいこと、判んない!」
と言っていた。残念である。そしてこんな方が自動変速伝達装置偉い人ということも残念である。

初出 Feb 09 2006
更新 Feb 09 2006


 

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