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仙人じゃないんだから、霞を食べるわけにはいかない 

Episode2

この夏にSIerになりたがりの某通信会社でアルバイトした。某金融機関のデータセンタに常駐して、ネットワークの運用管理である。
※ 前回も書いたが、このSIerになりたがりの某通信会社という語は、ここの正規従業員の方が言っていた言葉である。天災が考案した言葉ではない。

で、最初、このお仕事の話が来たときの面談で、
  「最低でも、一年はお願いします。」
ということだった。

ところが、3ヶ月毎契約の更新を繰り返して最低1年のはずなのに、8月の末(08/24)に
  「1ヵ月後の9月末で契約期間が終了しますが、その後の10月からは1ヵ月毎の契約でやりたいのですが・・・。」
と言ってきた。

「ソリューション」とは、「問題解決」ということ

まぁ、SIerになりたがりの某通信会社の正規従業員がいない環境で最前線にいると、エンドのお客様からこのSIerになりたがりの某通信会社がどのように思われているかがよく判る。経営者でも営業でもないSEが
  「契約範囲外だからやらない。」
  「お金もらえる仕事になるかどうかわからないからやらない。」
  「だから天災さんも、能力的にできてもやらないで。」
なんて言っている。

いや〜、驚いたな。こちらとしてもやりたくないような面倒なことが契約範囲外ならば、エンドのお客様の要望であっても
  「別途費用がかかりますがそれでもよろしいでしょうか?」
と丁寧にお断りする。 しかし、そうではなく、常駐者が自分の負担と感じない、やってもかまわないよ、というレベルならば、個人裁量の範囲だろう。

もちろん、人が交代した時のことを考え、
  「以前いた人はやってくれたけれど今度の人はやってくれないの?同じ料金支払っているのに。」
とならないように、丁寧な説明は必要だ。もちろんこれは営業の役目である。

無料でお客様に商品を渡すようなことを営業判断なくやってしまっては問題なのは当然で、正規従業員もパートもバイトも、全ビジネスマンにコスト意識を持つのは当然なのだが、営業が、
  「それ、儲からないからやらないで。」
と、止めるまでは自分のできうる限りのことを現場でこなすのがSEの役目であろう。

この仕事を始めた当初、正規従業員である営業のKさんが、
  「お客さんて、なぜか我々に不満持っているんですよね。」
と言っていたことがあるが、そんなの当たり前である。お客様が欲しいものを与えていないのだから。お客様が欲しいものを与えられなくて、どこがソリューションプロバイダーだ?

で、某通信会社、ついに撤退決定

最前線にいるのだから、そんな雰囲気はよく判る。契約期間を1ヶ月にして欲しい話がくるのもその事情は理解できる。しかし、この人達が気づいていないのは、天災はこの案件有りきの契約ということだ。

    SIerになりたがりの某通信会社が某金融機関のお仕事を撤退しても
  • 正規従業員の方は別の仕事に移るだけ。収入が途切れることはない。
  • 天災は、別の仕事を探す間、収入が途切れる。
ということ。一ヶ月前の通告さえしていれば道義的に問題ないとでも考えているようだ。

  • 3ヶ月の契約期間を持って働くのと
  • 一ヵ月後に、「もう来月で更新しない。」と言われるかもしれない一ヶ月契約を続けるのと
どちらが魅力あるだろう。このことをエージェントを通じて
  「天災さんは9月いっぱいで更新しないかもしれない。」
と気づいた某通信会社、08/31に
  「やっぱり契約期間は3ヶ月で。」
と言ってきた。でも、一度口にした言葉は訂正してもこちらの記憶には残っている。
  • 期間途中の契約打ち切りのペナルティを覚悟し、最初から3ヶ月更新にすれば流石!であったのに・・・。そんな度胸が無かったということ。
  • 最初から3ヶ月更新し、期間途中で某金融機関のお仕事を撤退しても、この某通信会社の別案件に組み入れるという解決策を提示できれば流石!であったのに・・・。
    ※ だって、天災は、某金融機関とではなく、某通信会社との契約であったのだから。
  • 兎に角、10月いっぱいの人材が欲しい、ということなのだろう。そして、3ヶ月更新しても来年のお仕事無い
ということだろう。

運良く、契約期間短縮の申し出があった翌日に、かつて一緒に働いたことのあるKnoさんから、
  「天災さん、こんなお仕事が10月からあるんだけれど、話だけでも聞きに来ない?。」
という打診があったので、話だけでも聞いてこようということにした。9月の第一週のことである。

で、09/05の月曜日に、エージェントを通じて10月以降の契約更新しない旨、某通信会社に伝えた。
※ メール発送は、09/04月曜日中(21:00)

PMがエージェントの文句を言っているが・・・

先日、SIerになりたがりの某通信会社のPMが、今回僕にこのお仕事を紹介したエージェントについて、
  「もう二度と利用しない。」
という文句を言っていてた。理由を聞くと、僕の契約が切れる9月末までに次の人材を紹介できなかったからという。そりゃ、人材が来ないほうが当然である。1ヶ月の契約期間、しかも更新されるかどうか将来は不明、という案件である。人気はないだろう。しかも、天災が、契約終了まで1ヶ月なく契約更新しないのを伝えたのも不満らしい。しかし、先方から

  • 「やっぱり契約期間は3ヶ月で。」
と言って来たのが08/31だ。09/01の金曜日に回答できるわけが無い。どうしても回答はその後となる。どうも、先に述べた、
    SIerになりたがりの某通信会社が某金融機関のお仕事を撤退しても
  • 正規従業員の方は別の仕事に移るだけ。収入(賃金)が途切れることはない。
  • 天災は、別の仕事を探す間、収入が途切れる。
という事が判っていない人のようだ。悪い人たちではないけれど、このような無神経さが致命的だ。

天災は霞を食べて生きているのではない、もっとも優秀なエンジニアが一ヶ月も体を空けていることもないが



初出 Oct 09 2006
最終更新日 Oct 09 2006


 

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